小児矯正歯科

成長期に適した矯正治療で、健やかな口腔機能の土台をつくる

歯並びやかみ合わせは、あごの発育や口まわりの筋肉の働き、呼吸の仕方などと密接に関係しています。なかでも口呼吸や舌の位置の乱れは、上あごの骨(上顎洞)の成長に影響を与え、歯が並ぶための十分なスペースが確保されにくくなる要因と考えられています。
小児矯正では、こうした機能面の問題に対して、年齢や発育の段階に応じたアプローチを行います。

取り外し可能な装置をはじめ、口腔筋や呼吸・嚥下に関するトレーニングを組み合わせることで、身体への負担を抑えながら、歯列やあごの健全な発育をサポートします。

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アゴが成長しない原因は?口呼吸で歯並びが悪くなる!?

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アゴが成長しない原因は?
舌の位置で歯並びが悪くなる!?

正しい舌の位置はアゴを成長させます。

口周りの筋肉について

アゴの成長は口の周りにある、筋肉の影響もうけます。
正しい舌の位置にすることで、アゴや歯の成長を助ける役割もあります。

歯並びチェックリスト

次のような状態が見られる場合は、成長段階に合わせた矯正治療を検討するタイミングかもしれません。

  • 歯が重なって生えている
  • 永久歯がなかなか生えてこない
  • 前歯が突出している
  • 下あごが上あごより前に出ている(受け口)
  • 乳歯にむし歯が多い
  • 歯の本数が足りない
  • 指しゃぶりや口呼吸などの癖がある

小児矯正の5つのメリット

  1. 1.成長を活かして骨格のバランスを整えやすい
  2. 2.永久歯の抜歯を回避できる可能性がある
  3. 3.装置が取り外し可能なことが多く、日常生活への負担が少ない
  4. 4.成人矯正の期間や処置を軽減できる
  5. 5.状況によっては、成人矯正が不要となることもある

小児矯正を始める時期と通院の目安

小児矯正は、成長期の特性を活かして進める治療です。お子さんの発育段階に応じて、使用する装置やアプローチ方法が異なります。
3歳頃からは「Vキッズ」による習癖改善、5歳以降は「プレオルソ」や「MRC」による口腔機能トレーニング、7歳頃からは「インビザライン・ファースト」による歯列矯正へと段階的に移行することが一般的です。
とくに6〜9歳頃は、あごの発育を活かした矯正に適した時期とされ、比較的やさしい力で治療を進めることができます。治療期間は半年〜3年程度が目安となり、永久歯が生えそろう12歳頃まで経過を見守ります。必要に応じて、成人矯正への移行をご案内することもあります。通院頻度は月1〜2回程度です。

あごの骨格は10歳頃までに約80%が成長するといわれており、この時期までに適切な介入を行うことで、歯並びや顔貌に影響を及ぼす骨格の形成をサポートすることが可能です。 気になる癖や歯並びの状態がある場合は、できるだけ早めにご相談いただくことで、より柔軟かつ適切な対応がしやすくなります。

【コラム】歯並びへの関心を、次世代の基準へ

欧米では、歯並びは健康管理の一環として重視されています。日本でも、むし歯や歯周病の予防、口腔機能の正常な発達を支える手段として、矯正治療への関心が高まりつつあります。小児矯正は、将来の健康的な成長を支える重要な治療の一つです。

小児矯正で使用する3つの装置

子どもの成長に合わせた矯正装置を使用することで、歯列や骨格の自然な成長を妨げずに治療を進めることが可能です。ここでは、代表的な3種類の装置をご紹介します。

  • Vキッズ(3歳~6歳頃)

    あごの成長や呼吸の安定をサポートする目的で使用する装置です。直接歯を動かすための力は加えず、あくまで発育の土台づくりを目的としています。睡眠中のいびきや歯ぎしり、朝の機嫌の悪さなど、睡眠の質に関連するお悩みのあるお子さんに使用されることがあります。

    特長

    • 上顎の自然な成長を促す
    • 呼吸や姿勢の改善にアプローチ
    • 脳の発育や睡眠の質の安定にも関係があるといわれている

    留意点

    • 装置による歯の移動は行いません
    • 使用状況や症状によっては他の装置への移行が必要な場合があります
  • プレオルソ・MRC(5歳~10歳頃)

    柔らかい素材のマウスピース型装置で、舌の位置や口呼吸、指しゃぶりなどの癖を改善しながら、口腔機能のバランスを整えることを目的としています。歯列の細かな調整には限界がありますが、将来の歯並びに良い影響を与えることが期待されます。

    特長

    • 鼻呼吸への移行をサポート
    • 舌や口周りの筋肉を正しく使う習慣づけに有効
    • アクティビティ(トレーニング)を併用して進める

    留意点

    • 装着とアクティビティの継続が重要
    • 歯並びを細かく整える目的には不向き
    • 成長に応じて装置の交換が必要になることがあります
  • インビザライン・ファースト(7歳~10歳頃)

    透明なマウスピース型の矯正装置で、永久歯が生え始める時期(混合歯列期)のお子さんに使用します。目立ちにくく、食事や歯磨きの際に取り外しができる点が特長です。

    特長

    • 歯をコントロールして移動させる治療が可能
    • 見た目に配慮された透明な素材
    • 習い事や学校生活にもなじみやすい

    留意点

    • 決められた時間の装着が必要
    • プレオルソやMRCよりも費用が高め
    • 成人矯正へ移行する際も同様の装置での継続が想定されます

3つの装置の比較表

ご希望の装置がある場合も、お子さんの口腔内の状態や成長の段階によって適切な治療法は異なります。初回相談では検査・診断を行い、無理のない治療計画をご提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。

特徴/
装置名
Vキッズ
(筋機能矯正装置)
プレオルソ・MRC
(歯列矯正用咬合誘導
装置)
インビザライン・
ファースト
(マウスピース型矯正装置)
開始時期 3〜6歳程度(乳歯列期) 5〜10歳 7〜10歳
装置の強さ 適度(筋機能や呼吸習慣の調整に有効) 適度(癖・骨格に対応) 強い(歯の移動に有効)
成人矯正への移行率 症例により異なる 約70% 約50%
装着感 ややあり ややあり 違和感ほぼなし
装着時間 就寝時のみ(下の歯に装着) 就寝+日中1〜2時間 20時間以上
対応症例 ・口呼吸や舌の位置異常
・猫背や前傾姿勢などの姿勢不良
・飲み込みや発音の癖
・睡眠時の口の開き
・早期のがたつき
・骨格バランスの崩れ
・出っ歯
・受け口
・開咬
・口呼吸や指しゃぶり
・舌癖や唇を噛む癖
・あごの発育不足
・左右差
・発音や飲み込みの問題
・歯のがたつき(叢生)
・出っ歯(上顎前突)
・受け口(反対咬合)
・開咬(前歯がかみ合わない)
・すき間がある歯並び(空隙歯列)
・過蓋咬合(かみ合わせが深すぎる)
料金(税込) 99,000
調整費:3,300円/回
※装置の修理費がかかる場合あり
165,000
調整費:3,300円/回
※装置2個目以降は別途費用
※年1回 装置代11,000円
※BB1使用時は装置代加算あり
550,000
調整費:3,300円/回
留意点 歯は動かさず、主に成長の補助が目的 トレーニングの継続が効果に影響 装着時間と管理が重要

矯正後も通院が必要?

小児矯正は、永久歯が正しく生えるための「土台作り」です。すべての永久歯が生え揃った段階で、必要に応じて成人矯正を検討します。成長や歯並びの状態を見ながら、適切なタイミングで治療方針をご案内します。

治療の流れ(年齢の目安)

3〜6歳頃
Vキッズで成長の土台を整える

乳歯列期の早い段階では、呼吸や姿勢、舌の位置などに着目したサポートを行います。顎の成長を促し、健やかな発育を目指すことで、今後の矯正治療の準備を整えます。

5〜10歳頃
プレオルソ・MRCで口腔習癖や
筋機能の改善に取り組む

この時期は、舌癖・口呼吸・指しゃぶりなどの癖を整えたり、正しい呼吸や飲み込み方を身につけたりする大切なステップです。装置とトレーニングを組み合わせ、機能面から歯並びや顎の発育をサポートします。

7〜10歳頃
インビザライン・ファーストで
歯列の改善をスタート

永久歯への生え替わりが進んできたら、マウスピース型矯正装置によって歯の位置を整える準備を始めます。目立ちにくく取り外し可能な装置のため、見た目や生活面への負担も比較的少ないのが特長です。

13歳以降
必要に応じて成人矯正を検討

成長段階に応じて、より精密な矯正治療が必要になる場合があります。経過を見ながら、成人矯正への移行についてもご相談いただけます。

ご相談について

小児矯正は、お子さんの成長段階に応じて適切な時期と方法を見極めることが大切です。柏の葉駅前歯科・矯正歯科では、一人ひとりの状態を丁寧に確認し、将来を見据えた治療プランをご提案しています。気になる点があれば、どうぞお気軽にご相談ください。